a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

2015-09-01から1ヶ月間の記事一覧

Passion (1982) - 人の本来を描く作品を観る。

Jean-Luc Godard監督。 古典音楽を多用している。それらは、3ショットにわたって継続して流されることもあれば、1ショットの中で開始と共に始まり途中で中断されるように途切れることもある。大勢の人間が集まってくる状況においては、特に大団円のオーケ…

Une femme est une femme (1961) - 気分の周期性を観る。

Jean-Luc Godard監督。 Michel Legrand音楽制作。 人間には気分の周期がある。普段は穏便な人であっても、ある日会って見ると「この人は私が知っている同じ人なのだろうか」と思うことがある。完璧な人だと思っていた人が、思慮や配慮に欠けた行動を取り始め…

Yogi Bear (2010) - William Tell Obertureの使い方を観る。

Eric Brevig監督。 John Debney音楽制作。 湖畔で花火が暴発した際には、RossiniのWilliam Tell Overture のfinaleが使用されている。もっとも、短い曲で所々がカットされてはいたが、非常に有名な曲である。この曲はスイス軍が町を攻め落とす重要な場面の描…

Charlies's Angels: Full Throttle (2003) - 人物が登場する敷居が低い映画を観る。

McG監督。 Edward Shearmur音楽制作。 脈絡のないショットの連結をしがちなMcG監督の続編で、ゴールデンラズベリー賞最低続編賞を取った。しかし、本作のよさは衣装代えの多さにあって、そのために脈絡のない舞台変更やシナリオの挿入があってもいたし方ない…

Matilda (1996) - 誇張と極論による映画を観る。

Roald Dahl原作 映画原作の御用達であるRoald Dahlの原作である。主人公が超能力をもってガラス容器を割り、そこに閉じ込められた動物が悪役のもとに飛んでいき、悪役がてんてこ舞いをする。このシークエンスは、『ハリーポッター』シリーズに同じ要素が含ま…

Primary Colors (1998) - detail shotとスローモーションの与える印象を観る。

Mike Nichols監督。 この監督も映画を撮るのが上手い。人と人が握手をするdetail shotから入る冒頭のシークエンスが印象的である。 音楽を比較的使用することがなく、ユーモアを利用してストーリーを牽引していくスタイルである。そのユーモアの不条理さの中…

お嬢さん乾杯 ! (1949) - 純粋な傑作を観る。

木下恵介監督。 率直な感想として「うまいなぁ」とつぶやいてしまった作品。当時は古典音楽の教養が上流社会のステータスであったのかもしれないが、映画で古典音楽を違和感なく取り入れ、それがストーリーに欠かせない要素となった好例である。音楽が表現す…

The Constant Gardener (2005) - ハンドカメラの効果を観る。

Fernando Meirelles監督。 Rachel Weiszは実際に妊娠しており、プライベートと映画製作がうまく被ったということである。 本作は、2時間の尺の割にはかなり沢山の軸があったように感じる。製薬会社の利益追求の問題(これは南北問題という専門用語がある)…

A.I. (2001) - 映画の教科書を観る。

Steven Spielberg監督。 John Williams音楽監督。 撮り方がうまい。そして、このシークエンスを見せられたら泣いてしまわずにはいられない、とでも形容できそうなシークエンスを入れるのが上手い。最期はそのシークエンスを入れるためだけに2000年後の人…