a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

1895-1910年代 普通 (好みで)

The Red Spectre (1907) - 精密かつ大胆

Segundo de Chomón監督 精密かつ大胆なイリュージョンであり、私なら本作をSegundo de Chomónの代表作として数える。ユーモアのセンスがまた素晴らしい。

The Cigar Box (1907) - 手品

Segundo de Chomón監督 手品、奇術の類。

Les Tulipes (1907) - 大きな顔

Segundo de Chomón監督 身長を優に倍は上回る顔が出現するところが面白い。非常に恐ろしいはずのこの現象が、思わず楽しくなるように演出されているところに監督の力量がある。

Bob's Electric Theatre (1906) - 監督的普通の作

Segundo de Chomón監督 彼の中では普通の部類に入る作品。それでも他の監督の作品と比べたら格段に独創的で面白い。

Japanese Butterflies (1908) - 見事な変身

Segundo de Chomón監督 見事、見事! 異国風の代名詞として日本にこだわる監督である。綺麗に着色までして撮影してくれて、非常にありがたいことだ。

M?tamorphoses (1912) - コップが大きくなった

Segundo de Chomón監督 コップが小さくなった!大きくなった!が楽しい作品。

The Frog (1908) - リアルなカエル演技

Segundo de Chomón監督 カエルの跳ね方がリアルである。役者が上手い。パントマイム出身者だったのだろうか?

Les Kiriki, acrobates japonais (1907) - アクロバット

Segundo de Chomón監督 数々の摩訶不思議な肉体技巧。種明かしはするまでもないが、空から地面に向けて撮影しているのである。この摩訶不思議世界を、あえて異国風に仕上げたあたりに監督としてのセンスがある!

Le voyage sur Jupiter (1909) - 縄梯子で木星へ

Segundo de Chomón監督 メリエスは月に行ったから俺は木星に行こう、という発想だったかどうかは定かではないが楽しい作品である。『月世界旅行』と違って、吊り下げられている縄梯子で木星まで行くところが独創的である。そして後半まで観れば撮影の種明か…

The Electric Hotel (1908) - 憧れの全自動

Segundo de Chomón監督 自動で荷物をしまってくれる世界に私も居れたらどんなに良いことか! そんな現実的な夢の世界に連れて行ってくれる。(ただし、機械の誤作動には注意)

Mary And Gretel (1916) - 酔っ払ったうさぎ

Howard S. Moss 監督 酒に酔っ払ったうさぎが登場するアニメーションだ。「酔っ払ったうさぎ」とは、本来自然界に存在するはずはなく、したがって動物に擬人化を行った極めて面白い作品である。まさにメルヘンの先駆けである。摘むなと言われていた花を呆気…

A Dog's Life(1918) - 犬は名役者

Charlie Chaplin 監督 役者犬をよく集めることができたなと感心する次第。それ以外の役や脚本は、Charlie Chaplinのフィルモグラフィーとしては目新しい点がない。

The adventurer (1917) - さようならキャンベル、さようならミューチュアル。

Charlie Chaplin 監督。 本作でEric Kampbellの遺作になった。本当にすばらしい巨漢のコメディアンであった。巨漢と言ったらまずロスコー・アーバックルを思い出すけれども彼は悪役には向いていない。悪を象徴するには、顔が丸すぎたのである。だからキャン…

The Immigrant (1917) - 主観ショット

Chelie Chaplin 監督 チャップリンの、船が登場するフィルムは船酔いしてしまってダメである。カメラごと振り子のように動かすのだから、特に大画面のシアターで見ると完全に酔ってしまう。もちろん、そんな映画初期の段階のフィルムで、当時の人もそうであ…

The Cure (1917) - 制約

Chelie Chaplin 監督 怪我をした足という条件が、スラップ・スティックをとても面白くした。やはり映画に登場する人物には、何らかの制約を与えなくては。そうすることで脚本や演技が面白い方向に、非日常的展開になって楽しい。

Easy Street (1917) - Gas !

Charlie Chaplin 監督 街の荒くれものであるEric Campbellの強いこと強いこと。もはや棒でどんなに強く叩いてもびくともせず、人間というよりは怪物のような心地すらする。どうなってしまうのかとハラハラしていると、電灯が怪力で折れ曲がってきて「Gas!」…

Behind the Screen (1916) - 男装するEdna

Chelie Chaplin 監督 チャップリンは『チャップリンの女装』で女装をしていて面白かった。今度はEdna Purvianceにも男装させてみた、という観客にとっては箸休めの気軽な作品である。

The Pawnshop (1916)-ギターのキャラ

Charlie Chaplin監督 質屋にもって入ったものを分解されてしまうという、おもしろいコメディ作品だ。 弦楽器に顔がはまって抜けなくなるという、楽器に手足がはえたキャラクターのようなものをフィルムにおさめたおそらく最古の作品。 (ギターのキャラクタ…

The Count(1916) - 盗人と夢物語

Charlie Chaplin 監督 伯爵を装ってつかの間の上流階級の仲間入りをする。そのチケットは仕立て屋が盗んだものだから、おもしろいなあと観るけれども実際は犯罪の現場であって、場当たりな窃盗に立脚しているからこそ夢物語なのだ。

One A.M.(1916) - Cuckoo clock attacks.

Charlie Chaplin as director めずらしく全編一人芝居である。おとろえることのないパントマイム芸を堪能できる。映画としては余興的な作品だとすれば、劇場が夜11時に閉まって、真夜中1時からひっそりと始まる内輪の芸、というような感じもただよう。階…

The Vagabond (1916) - The living shamrock

Charlie Chaplin監督 ジプシーの作品を観るとフェリーニの『道』が観たくなってしまう。西洋映画にはジプシー映画が沢山あり、本作もジプシーの話。ジプシーの女奴隷がいて、売れない音楽家と恋愛する話である。 チャップリンはミューチュアル社に移って、圧…

Triple Trouble(1918) - 未完の作。

Charlie Chaplin, Leo White監督 Essanay社を退社したチャップリンに変わってLeo Whiteが完成させたというフィルム。途中から別の監督が作品を作ると全体の統一感がなくなるのではないかという危惧が当たる。下手であるよりは上手い技術を持ち合わせているが…

Burlesque on Carmen(1915) - 細やかな人物設定を観る 。

Charlie Chaplin監督 舞台設定と人物設定が多彩になった。前年に『アルコール先生原始時代の巻』で、原始時代の設定で王と下僕たちの設定があった。そのような労働階級のなかでも、本作ではジプシーのカルメンであったり居酒屋のオーナーであったりと細やか…

Shanghaied (1915) - 船酔いする映画を観る。

Charlie Chaplin監督 労働者が、雇用者の娘に恋してしまうというのが、Essanay社時代のチャップリンである。本作は通常のスラップスティック・コメディのように観えるが、格段に従来作よりも進化しているように感じられるのは、野外撮影とセット撮影を分けた…

The Bank(1915) - Only a dream.

Charlie Chaplin監督 Essanay社時代のチャップリンの特徴は恋愛に敗北するところにあるわけだが、本作もその好例である。しかし途中までは非常に上手くことを運んでいたCharlieは、掃除夫であるが強盗を撃退し、エドナ・パーヴィアンスと上手くいくかに思わ…

A Woman(1915) - 天才あらわる。

Charlie Chaplin監督 この女性は誰だろう、と思ったらChaplinなのである。まさか15年にCharlieが白いドレスを着て廊下をランウェイのように自信げに歩いているとは想像できないから、本作には驚かされる。Edna Purvianceが、あなた髭を剃って私の靴をはいた…

Work (1915) - 仕事にならない仕事を観る。

Charlie Chaplin as director 部屋を散々に壊しておいて何が仕事か。そう憤って観る作品である。ただし映画史家の中には本作を労働者階級と資本階級の対立として観れば、圧倒的に労働者に同情を向けているようにも観えるという。確かに、前半ではCharlieは馬…

By the Sea (1915) - 両手に敵

Charlie Chaplin as director Charlieは二人の女に同時にちょかいを出し、それぞれに居た恋仲の男たちとスラップスティック・コメディを繰り広げる。よく考えれば、一人の男が代わる代わる戦うのだから圧倒的にCharlieが不利である。そして両手に花ならぬ、…

The Tramp (1915) - 放浪者らしく。

Charlie Chaplin as director 駆落ちもあれば失恋もあるということで、本作は後半手前まで普通のコメディであり後半は失恋を描いている。確かにChaplinの独特な魅力はこの作品から本領発揮されたという観方があり、それは正しいだろう。今までの主人公は身を…

A Jitney Elopement(1915) - カーチェイスを観る。

Charlie Chaplin as director keaston時代のスラップスティック・コメディと何ら変わらないと憤って観ていると、物語後半にはカーチェイスがあるのだ。しかも緊迫感のある演出がされている。粗いカーチェイスであって決して滑らかではないけれど、主人公男が…