1990年代 普通 (好みで)
Phillip Noyce監督。 Angelina Jolie とDenzel Washingtonの共演である。Angelina Jolieは本作で初の主演となり本格的に才能が認められたので、Phillip Noyceによって見初められたと言っても間違いではないだろう。 『Secret Window』でも述べたが、出版され…
Francer C. Heston監督。 Max von Sydowの演じる男が、奇妙で非常におもしろい。
Luis Llosa監督。 男と女の関係は、ストーリーや映画、そして画面に至るまでに幅広く連関している一大命題である。本作の中で、Sylvester StalloneとSharon Stoneの半裸が交互に写り、その中で二人が電話越しに会話をするシークエンスがある。どちらかという…
Kevin Hooks監督。 Black Dogとは、ツェッペリンの歌曲のことではなくて、長距離運転をしている際にだけみえる残像のことである。長い間運転していると、だんだんと気分が散漫になってくる。それでも運転を続けていると、歩道の真ん中に一匹の黒いシェパード…
Stephen Norrington監督。 血液学者が登場人物である。それだけで、どことなく贔屓にしている映画。
Richard Donner監督。 ハイウェイでのカーチェイスシーンをよく工夫している。実のところ、主人公と的がカーチェイスをして、椅子をソリにしては知っていたとしても、周りの車は何事も無かったかのように平然と走っている。これがアクション映画における、周…
Michael Bay監督。 巨大水星の地表の世界は、ただただ圧巻。21世紀に入る前に作られた映画のCG水準を、ぜひ本作から実感するべきなのである。21世紀に入ってから、本作よりもCGが下手な映画があったら、それはCG技術が退化してしまったか、低予算でやむなく…
Jonathan Kaplan監督。 女4人がカウガールとなったウエスタン映画である。主人公全員を女にしたことが珍しいので、面白い映画。 Madeleine Stowe、Mary Masterson、Andie MacDowell、Drew Barrymoreという、演技力には疑問もあるがその後も活躍する女優たち…
Wolfgang Petersen監督。 ストーリーの典型において、主人公の敵は身内に居る。最後の最後にて、護衛隊のひとりが突如として裏切るような真似をして、観客は困惑させられるのであるが。少なくともアメリカのアクション映画においては、まるでなにか形而上の…
Rob Cohen監督。 当時のCGレベルでは、なかなかのドラゴンを見せてくれる。 自分が何のアクションを起こさなくとも、世の中はある規則に従って動き、その結果として世界は調和されるという立場が、Schopenhauerのいうところのoptimismである。本作のドラゴン…
Curtis Hanson監督。 Kim Basinger、私はこの女優が大好き。私生活では、土地の資産運用で失敗したり、出演キャンセルで訴訟されたりと波乱であるが、とてもよい女優である。なぜなら、男の価値観や人生に対して挑発をすることができる。挑発できる女優は強…
Jeremiah S. Chechik監督。 ジョニー・デップ、変わった役者である。ジョニー・デップではミスキャストなのではないか、と思えるような役ばかり演じて、それが逆に型にはまっているという逆説的な人。つまりはミスキャスティング的な理想の配役とのギャップ…
Wim Wenders監督。 最後にある港の俯瞰シーンの陳腐さ。どうしたらあのような結末で撮影できるのであろうか。
Régis Warnier監督。 この映画で驚いた。Vincent Pérez が画面のあらゆるところから、ふいに姿を表す。走り出した車の中からみるフロントガラスにふいに黒い影が映る。走り出した車のドアがあくと、雨でずぶぬれになったPérezが、真顔で殺気立った表情でカメ…
Bernardo Bertolucci監督。 ここまで官能的な画面を構成する監督も、めずらしい。つまり他のあらかたの作品に比べて、シーン単体の流れるようなカメラ移動がすばらしい。画面の中において、人物の遠近感が常に変化するので、実体が目のなかに侵入しては引い…
Bernardo Bertolucci監督。 倦怠期にある夫婦を主人公として、彼らが北アフリカへの旅を通して愛情を取り戻そうとする。しかし、夫は途中にて疫病(腸チフス)にかかり命をおとしてしまう。異国情緒にあふれているが、ストーリーは単調であり、主題はある種反…
Tim Burton監督。 街の古屋敷に住んでいる、孤独な人造人間の話。若干設定は『フランケンシュタイン』に似ていなくもないが、ストーリーの方向はまったく異なる。エドワードを生かして逃してしまうあたり、非常に甘い。現代用にうまくフィットしている。 そ…
Lars von Trier監督。 わざわざ章を分けるところは、劇作の文化を思わせる。本来的には、映画でわざわざchapterを分けることを作中に示さなくても良いし、本質的にはそれがなくとも作品の質を変化させることはない。また、chapterを示すショットには音楽をか…
Joe Dante監督。 普段はおとなしい、ぬいぐるみのようなモンスターが水をかけられることで凶暴なグレムリンへと分裂する。グレムリンは好戦的である一方で、ロック音楽を聴きながら集団でもりあがる。さながら人間の属性の一部のようである。娯楽映画の典型…
Brian De Palma監督。 登場人物に属性をもたせなければ、イデオロギー的な作品にはならない可能性が高い。本作では、たとえば退役軍人やアウトローな人間などのあらかじめ属性が決定している人間がスパイをしているわけではない。登場する複数の人間は、なぜ…
Raja Gosnell監督。 音楽上のあえて不一致な演出は、コメディであるか、もしくはミスマッチである。映画上の登場人物は緊迫しているであろうはずのシーンにて、あえてポップで楽しげな音楽を流している場合、それはコメディであるか、もしくは製作上のミスマ…
北野武監督。 個人的に好きなのが、やーさんのネクタイの柄である。今時こんな柄のネクタイはお目にかかる機会がないのであるが、それは柄があまりにも遊びすぎているからである。ビジネスに使えないし、案外とカジュアルファッションにも合わせにくそうであ…
Curtis Hanson監督。 川下りに来た家族と、おなじく川下りにきた男三人組が登場する。 物語が温和に進んでいくが、途中で家族と男三人組が一緒に川下りをすることになる。男たちはその地点から先の激流をすすむ技術はなさそうであり、かといってボートをすて…
John Woo監督。 アクション映画である。人間を撃つ時が特徴的で、2丁拳銃を用いて一人あたり10発ほど打ち込む。アクション映画では一人あたりに一二発当たればよいのに、これでもかと執拗に打ち続けるのである。 また、戦闘中に平和の象徴になる鳩を飛ばすこ…
Victor Erice監督。 本作は画家の間では有名なようである。なぜなら、現役画家がそのまま主人公として同名で出演しているのである。 本作は、写実画家がマルメロという洋梨を描く過程を、そのまま撮影した映画である。 この監督の作品は、日本で入手できた映…
今村昌平監督。 来院してくる患者は皆ウイルス性の肝臓炎であると決めつけ、独自の研究に固執する医師を描く。国のため、しいては天皇のためと研究を正当化し、脱走兵の肝臓に目を付け、死体を掘り起こす始末。 ところが警ら隊との事件等で、最終的には、地…
Robert Longo監督。映画監督としてはあまりキャリアが無いらしい。 本職はアーティストらしいので、案の定映画視聴者が求めているものを表現していなく、実際に本作は赤字であった。しかし、可能な限り現実感覚のあるフィクションを追求しているようにも見え…
チャン・イーモウ監督。 序盤の現在のシーンはあえてモノトーンで物語を進める。本来であれば過去をモノトーンにして、現在をカラーにすることが普通なのであるが、本作では過去が主に語りたいストーリーであろうから、あえて現代をモノトーンにしたのだろう…
ジム・ギレスピー監督。タイトルからして粘着質である。到底幸せな結末にならなさそうである。 この作品には続編がふたつでていて、それぞれ”I Still Know What You Did Last Summer”が出て、”I’ll Always Know What You Did Last Summer”となった。もはや製…
ツイ・ハーク、リンゴ・ラム監督。 演者の多くが監督であるという珍しい作品。監督が作っていて楽しいだろうという、監督の嗜好がそのまま反映されている作品。 そのような作品の有名作はスピルバーグのSuper 8 (2011)である。 一般の作品よりも、カメラのま…