a-moviegoer’s diary

2014年から1日1本の映画を観ていて感想を書き溜めています。そして今年通算1000本を観ました。これからも映画の感想を溜めていきます。東京都内に住んでいます。

1990年代 普通 (好みで)

The bone collector (1999) - 本というモチーフを観る。

Phillip Noyce監督。 Angelina Jolie とDenzel Washingtonの共演である。Angelina Jolieは本作で初の主演となり本格的に才能が認められたので、Phillip Noyceによって見初められたと言っても間違いではないだろう。 『Secret Window』でも述べたが、出版され…

Needful Things(1993) - 爆発した家から平然と出てくる姿。

Francer C. Heston監督。 Max von Sydowの演じる男が、奇妙で非常におもしろい。

The specialist (1994) - アクション映画は脱いでばかり。

Luis Llosa監督。 男と女の関係は、ストーリーや映画、そして画面に至るまでに幅広く連関している一大命題である。本作の中で、Sylvester StalloneとSharon Stoneの半裸が交互に写り、その中で二人が電話越しに会話をするシークエンスがある。どちらかという…

Black Dog (1998) - トレーラーでチェイスするというアイディア勝負の作品。

Kevin Hooks監督。 Black Dogとは、ツェッペリンの歌曲のことではなくて、長距離運転をしている際にだけみえる残像のことである。長い間運転していると、だんだんと気分が散漫になってくる。それでも運転を続けていると、歩道の真ん中に一匹の黒いシェパード…

Blade (1998) - 血液学者によると、ゾンビは貧血であるという。

Stephen Norrington監督。 血液学者が登場人物である。それだけで、どことなく贔屓にしている映画。

Lethal Weapon 4(1998) - 敵がカンフーの達人であると、打撃の応酬が見応えあり。

Richard Donner監督。 ハイウェイでのカーチェイスシーンをよく工夫している。実のところ、主人公と的がカーチェイスをして、椅子をソリにしては知っていたとしても、周りの車は何事も無かったかのように平然と走っている。これがアクション映画における、周…

Armageddon (1998) - 巨大水星の地表世界は圧巻。

Michael Bay監督。 巨大水星の地表の世界は、ただただ圧巻。21世紀に入る前に作られた映画のCG水準を、ぜひ本作から実感するべきなのである。21世紀に入ってから、本作よりもCGが下手な映画があったら、それはCG技術が退化してしまったか、低予算でやむなく…

Bad Girls (1994) - 女4人カウガールで主人公となる、めずらしい映画。

Jonathan Kaplan監督。 女4人がカウガールとなったウエスタン映画である。主人公全員を女にしたことが珍しいので、面白い映画。 Madeleine Stowe、Mary Masterson、Andie MacDowell、Drew Barrymoreという、演技力には疑問もあるがその後も活躍する女優たち…

Air Force One(1997) - せまいはずの機内が、せまく感じない不思議。

Wolfgang Petersen監督。 ストーリーの典型において、主人公の敵は身内に居る。最後の最後にて、護衛隊のひとりが突如として裏切るような真似をして、観客は困惑させられるのであるが。少なくともアメリカのアクション映画においては、まるでなにか形而上の…

Dragonheart (1996) - optimismであり、ドラゴンが主人公というめずらしい映画。

Rob Cohen監督。 当時のCGレベルでは、なかなかのドラゴンを見せてくれる。 自分が何のアクションを起こさなくとも、世の中はある規則に従って動き、その結果として世界は調和されるという立場が、Schopenhauerのいうところのoptimismである。本作のドラゴン…

L.A.Confidential (1997) - テーマ音楽が七拍子である。めずらしい。

Curtis Hanson監督。 Kim Basinger、私はこの女優が大好き。私生活では、土地の資産運用で失敗したり、出演キャンセルで訴訟されたりと波乱であるが、とてもよい女優である。なぜなら、男の価値観や人生に対して挑発をすることができる。挑発できる女優は強…

Benny and Joon (1993) - Boy meets girlの兄妹版にあたる。

Jeremiah S. Chechik監督。 ジョニー・デップ、変わった役者である。ジョニー・デップではミスキャストなのではないか、と思えるような役ばかり演じて、それが逆に型にはまっているという逆説的な人。つまりはミスキャスティング的な理想の配役とのギャップ…

The End of Violence (1997) - ガウンで王国の半分が手に入るという印象。

Wim Wenders監督。 最後にある港の俯瞰シーンの陳腐さ。どうしたらあのような結末で撮影できるのであろうか。

Indochine (1992) - バチストが、ふいに淫らに現れるという芸術。

Régis Warnier監督。 この映画で驚いた。Vincent Pérez が画面のあらゆるところから、ふいに姿を表す。走り出した車の中からみるフロントガラスにふいに黒い影が映る。走り出した車のドアがあくと、雨でずぶぬれになったPérezが、真顔で殺気立った表情でカメ…

Stealing Beauty (1996) - 女が、自分が受け入れられる男をさがす物語。

Bernardo Bertolucci監督。 ここまで官能的な画面を構成する監督も、めずらしい。つまり他のあらかたの作品に比べて、シーン単体の流れるようなカメラ移動がすばらしい。画面の中において、人物の遠近感が常に変化するので、実体が目のなかに侵入しては引い…

The Sheltering Sky(1990) - 風景と音楽がよい、モロッコという異国情緒を堪能できる映画。

Bernardo Bertolucci監督。 倦怠期にある夫婦を主人公として、彼らが北アフリカへの旅を通して愛情を取り戻そうとする。しかし、夫は途中にて疫病(腸チフス)にかかり命をおとしてしまう。異国情緒にあふれているが、ストーリーは単調であり、主題はある種反…

Edward Scissorhands (1990) - 女心をくすぐる、シザーハンズという存在。

Tim Burton監督。 街の古屋敷に住んでいる、孤独な人造人間の話。若干設定は『フランケンシュタイン』に似ていなくもないが、ストーリーの方向はまったく異なる。エドワードを生かして逃してしまうあたり、非常に甘い。現代用にうまくフィットしている。 そ…

Breaking the Waves (1996) - 力量不足であるが、監督の方向性は揺らがない。

Lars von Trier監督。 わざわざ章を分けるところは、劇作の文化を思わせる。本来的には、映画でわざわざchapterを分けることを作中に示さなくても良いし、本質的にはそれがなくとも作品の質を変化させることはない。また、chapterを示すショットには音楽をか…

Gremlins 2 The New Batch(1990) - 前作となんら変わらず。『ランボー2』が出て来る。

Joe Dante監督。 普段はおとなしい、ぬいぐるみのようなモンスターが水をかけられることで凶暴なグレムリンへと分裂する。グレムリンは好戦的である一方で、ロック音楽を聴きながら集団でもりあがる。さながら人間の属性の一部のようである。娯楽映画の典型…

Mission:Impossible (1996) - TGVの高速感は見物。糸吊りアクションの基本形。

Brian De Palma監督。 登場人物に属性をもたせなければ、イデオロギー的な作品にはならない可能性が高い。本作では、たとえば退役軍人やアウトローな人間などのあらかじめ属性が決定している人間がスパイをしているわけではない。登場する複数の人間は、なぜ…

Home Alone 3 (1997) - 子供の名探偵。

Raja Gosnell監督。 音楽上のあえて不一致な演出は、コメディであるか、もしくはミスマッチである。映画上の登場人物は緊迫しているであろうはずのシーンにて、あえてポップで楽しげな音楽を流している場合、それはコメディであるか、もしくは製作上のミスマ…

ソナチネ(1993) - 遊戯を撮らせたら、この作品が世界一である。

北野武監督。 個人的に好きなのが、やーさんのネクタイの柄である。今時こんな柄のネクタイはお目にかかる機会がないのであるが、それは柄があまりにも遊びすぎているからである。ビジネスに使えないし、案外とカジュアルファッションにも合わせにくそうであ…

The River Wild (1994) - サスペンスの教科書を地で行くような作品。

Curtis Hanson監督。 川下りに来た家族と、おなじく川下りにきた男三人組が登場する。 物語が温和に進んでいくが、途中で家族と男三人組が一緒に川下りをすることになる。男たちはその地点から先の激流をすすむ技術はなさそうであり、かといってボートをすて…

Hard Target (1993) - 2丁拳銃のさばきがすばらしい、普通の映画。

John Woo監督。 アクション映画である。人間を撃つ時が特徴的で、2丁拳銃を用いて一人あたり10発ほど打ち込む。アクション映画では一人あたりに一二発当たればよいのに、これでもかと執拗に打ち続けるのである。 また、戦闘中に平和の象徴になる鳩を飛ばすこ…

マルメロの陽光(1992) - 生死を黙って見つめていたい、そんな時の一作。

Victor Erice監督。 本作は画家の間では有名なようである。なぜなら、現役画家がそのまま主人公として同名で出演しているのである。 本作は、写実画家がマルメロという洋梨を描く過程を、そのまま撮影した映画である。 この監督の作品は、日本で入手できた映…

カンゾー先生 (1998) - 麻生久美子の初ヒット作。すばらしき人間ドラマ。

今村昌平監督。 来院してくる患者は皆ウイルス性の肝臓炎であると決めつけ、独自の研究に固執する医師を描く。国のため、しいては天皇のためと研究を正当化し、脱走兵の肝臓に目を付け、死体を掘り起こす始末。 ところが警ら隊との事件等で、最終的には、地…

JM /Johnny Mnemonic (1995) - アーティストが撮った、影の秀作。

Robert Longo監督。映画監督としてはあまりキャリアが無いらしい。 本職はアーティストらしいので、案の定映画視聴者が求めているものを表現していなく、実際に本作は赤字であった。しかし、可能な限り現実感覚のあるフィクションを追求しているようにも見え…

初恋のきた道 (1999) - キノコ餃子をもって走る。

チャン・イーモウ監督。 序盤の現在のシーンはあえてモノトーンで物語を進める。本来であれば過去をモノトーンにして、現在をカラーにすることが普通なのであるが、本作では過去が主に語りたいストーリーであろうから、あえて現代をモノトーンにしたのだろう…

I Know What You Did Last Summer(1997) - 被害者を湖に沈めるアメリカ映画の王道

ジム・ギレスピー監督。タイトルからして粘着質である。到底幸せな結末にならなさそうである。 この作品には続編がふたつでていて、それぞれ”I Still Know What You Did Last Summer”が出て、”I’ll Always Know What You Did Last Summer”となった。もはや製…

Twin Dragons (1992) - 監督このみのアクション

ツイ・ハーク、リンゴ・ラム監督。 演者の多くが監督であるという珍しい作品。監督が作っていて楽しいだろうという、監督の嗜好がそのまま反映されている作品。 そのような作品の有名作はスピルバーグのSuper 8 (2011)である。 一般の作品よりも、カメラのま…